ホルスト:組曲「惑星」
最終更新日 2005/09/10
(作成日:2001/10/15 改定:2002/03/30) 演奏時間 60分 編成 Fl4(Picc2、A.Fl1)、Ob3(B.Ob1)、E.Hr1、Cl3、B.Cl1、Fg3、C.Fg1、
Hr6、Tp4、Tb3、T.Tuba1、B.Tuba1、
Tim2、Perc4(バスD、Cym、Tri、スネアD、タムタム、グロッケン、木琴、タンバリン、チャイム)、
Hp2、Org1、Cel1、6parts chorus of female voices、弦5部スコア上の名称 Tenor Tuba 演奏経験 1回
イギリスの作曲家ホルスト(1874−1934)は、オルガニストであると同時に、トロンボーン奏者でもあった。また、ブラスバンド(ここでは、吹奏楽のこと)のために作曲された曲も多くある。例えば、吹奏楽のための組曲第1番、および、第2番など。ということで、ホルスト自身もこの組曲「惑星」を大編成のオーケストラの曲として作曲するにあたり、この楽器を使うことを考えたのであると思われる。スコアをよく見ると、このTenor Tubaをいうパートは、ブラスバンドにおけるユーフォニアムの使い方とほとんど同じである。
さて、この組曲は、「火星」、「金星」、「水星」、「木星」、「土星」、「天王星」、「海王星」の7曲から成る。(冥王星は、この曲が作曲された当時はまだ発見されていなかったということは、有名な話である。)そのうち、Euphの出番がある曲は、「火星」、「木星」、「天王星」の3曲のみである。そのうち、「木星」は、それほどの見せ場ともなるところはない。あっても、管楽器では1人でも弦楽器と一緒にやっているところとか、細かいフレーズとかもあり、指まわりも難しいなど、やや報われない曲である。(経験者は語る)
が、あとの2曲は、やりがい満点だと私は思う。ということで、「火星」と「天王星」の2曲から1ヶ所ずつ紹介します。まず、「火星」は、ソロの場所も結構あるが、そのバリエーションのうち、最初に出てくる練習記号Cのパターンを紹介します。
(譜例 練習記号Cの2小節前から8小節間 演奏例<MIDI>はこちら 続きを入れたらすごい和音に…)
技術的には、アーティキュレーションの都合からリップスラーを上手いこと活用して、力強く吹ききることが大切でしょう。また、弦楽器だけがフォルテで鳴っているなかでフォルティッシモで吹かなければならないが、気負いすることなく楽に鳴らすことが肝心です。ベルの向きを少し前向きに傾けて吹くのも効果的です。ただし、ホールによってはあまり関係ない場合もあります。ただ、姿勢が悪く見えてしまうだけではみっともないだけです。
次は、「天王星」から。この曲もなかなか選びにくいところだが、中間部のバスチューバと一緒に吹く練習記号Dのあと10小節目からのパターンを紹介します。
(譜例 練習記号Dの10小節目から7小節間 演奏例<MIDI>はこちら 前フリが長いので、譜例まで9小節待ってね)
ここは、あまり言うことはないけど、いかにしてチューバとあわせていくかがポイントでしょう。と言っても、ほとんど同族楽器なので、難しいことは何もないです。譜面上では、はじめの8分音符の引っ掛け具合が問われることもあるかもしれませんので注意しておきたい。
最後に、この曲全曲に関してだが、まだ吹いたことがないので、実際に吹いてみてどのような感じになるのかを確かめてみたいところです。個人的には、トロンボーンでもユーフォニアムでも出てみたいので、両方の機会があるといいんだけど…。まぁ、そんな贅沢なことは言えません。こんな曲は、アマチュアではめったにやらない曲なので。