シューベルト
最終更新日 2005/11/07
(目次)
交響曲第7(8)番 ロ短調 D759 「未完成」 (2004/06/24一部修正)
作曲年 1822 演奏時間 25分 編成 Fl2、Ob2、Cl2、Fg2、Hr2、Tp2、Tb3、Tim1、弦5部 演奏経験 4回 (1st:2回、2nd:2回) 所有CD ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 (指揮者:カール・ベーム)
サイトウ・キネン・オーケストラ (指揮者:小澤征爾)音域 1st(Fis−A1)、2nd(Cis−E1)、3rd(F-1−Cis1) (2004/06/24一部修正)
この曲は、なぜ未完成だったのか?(この曲の紹介においてよくあるフレーズである。) そして、よく言われているのが、1、2楽章があまりに美しいために、どんなスケルツォやフィナーレを書いたところで、前2つの楽章にとっては、全く無意味なものになってしまうと直感で感じたからではないかと言われている。その証拠に第3楽章の書きかけのスケッチが後に発見されている。しかし、この曲が発見されたのは、シューベルトの死後、37年の年月を経てからである。3、4楽章を書いても意味もないと分かっていながら、書き上げた1、2楽章のスケッチを廃棄せずに残しておいたのは、どうしてであろうか?シューベルト自身は、この曲を完成させる気があったのだろうか?ナゾが深まるばかりである。
トロンボーン奏者としては、かなり吹き応えのある曲であると言える。この時代では、半音階の出せる唯一の金管楽器として扱われていた。あるところでは、弦楽器(特にベースライン)の補強として、そして、あるところでは、木管楽器の支えとして使われている。ffと書いてあるところも、荒々しくならないように、そして、あくまで美しいメロディーに添えられている美しいハーモニーを目指して、曲を作っていけばいいでしょう。
しかしこの曲を吹くのは大変なことだと思います。特に1stを吹く時には体力的にもかなりキツい。オケ全体がしっかりと鳴るレベルの高いオケでは抑え気味で吹くと存在感が無くなる。ただし、そうでないオケで同じように吹くと音が浮いてしまうために、無理矢理抑え目で吹かなければいけなくなる。こうなった場合、体力的でだけでなく精神的にも疲れてしまう。それだけの曲なので、かなりの吹き応えのある曲といえる。
余談だが、この曲の4楽章完成版なるものが世の中に出ているらしい。聴いたことはまだないが、愛知県にある某プロオーケストラで演奏されるなど、日本でも演奏されているようである。
なお、この交響曲の番号の付け方についてだが、以前は、第8番としていたが、最近の研究と調査により、この曲を第7番とすることになったようである。だから、2001年にやった演奏会では、第7番だったが、1999年の演奏会では、まだ第8番であった。この考え方については、この交響曲と第6交響曲との間にもう1曲交響曲があったとされる説についての検証が進んだことによるものでしょうと勝手に考えている。
作曲年 1828 演奏時間 50分 編成 Fl2、Ob2、Cl2、Fg2、Hr2、Tp2、Tb3、Tim1、弦5部 演奏経験 1回 (2nd:1回) 所有CD ボストン交響楽団 (指揮者:サー・コリン・ディヴィス) 音域 1st(D−C2)、2nd(C−G1)、3rd(F-1−Es1)